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想いの流れ着くその先に
日々のつぶやき。不定期更新。
ひとり旅 その3
部屋でしばらくボンヤリしてたら、夕食の準備ができたというので
指定された部屋へ。


そこは空いていた部屋だったみたいで、
私が泊まる部屋と似たようなつくりになっていた。
テーブルの上には、既に一人分のお膳が用意されていて、
お刺身の盛り合わせ、鰹のたたき、ホヤの酢の物、
小さないわしを塩と酢(かな?)で〆めたのの卯の花和え、
鮪の卵の煮物、それと見たことのない赤いお刺身?と
白身のお刺身が並べられていた。
これは後で旅館の女将さんが、赤いのはサメの心臓で、
白いのはマンボウのお刺身だということを教えてくれた。
そのほかに、フカヒレ餡のかかった茶碗蒸しと、
でっかいホタテの焼き物とフカヒレの姿煮、
そして一番楽しみにしていたウニ。
見事なまでに海のもの尽くしの無いように、いやがおうにも
テンションが上がりまくる私(^_^;)
女将さんが出て行って、一人きりになると
「いただきまーす!」と早速一人宴会開始。
追加で頼んだ日本酒と共に、思うぞんぶん海の幸を楽しみました。


中でも初めて食べたサメの心臓にびっくり。
血の塊みたいな真っ赤な色をしているけれど、嫌な匂いは一切無くて、
歯ごたえもサクサクしていて面白い。
酢味噌につけて食べたけど、試しに何もつけないで食べたら、
すごく淡白な味でした。マンボウも然り。
あんまり味がないから、酢味噌で食べるのかな?と思いました。
鮪の卵は、生姜と醤油で煮含めてあるみたいで、これはお酒にもいいけど
ご飯のおかずにも良さそう。
ホタテもとても身が厚くて大きくて、普段食べてるのとは全然違う美味しさでした。
そしてウニ!
殻ごと真っ二つに割られてるのに、まだトゲトゲが動いてて、
そのままスプーンですくって食べたら、とろけるような甘さにうっとりv
食事のしめに、少し残しておいたウニをご飯の上にのせて山葵醤油をかけて
大満足の一人宴会は終了。
もう一歩も動けませーんってくらい食べて、部屋に戻ると敷いてある布団に
倒れこむように横になり、いい感じで酔っ払ったせいもあったのか、
そのままウトウト居眠りしてしまいました。
深夜に目が覚めて、お風呂に入ってその夜はそのまま就寝。


翌朝、目が覚めて窓の外を見たら、昨日よりは小雨になってるものの
やっぱり傘なしではキツイお天気。
また雨が強くなって、電車が運休になってしまうと大変なので、
だいぶ早いけど、朝ご飯を食べたら帰ることにしました。
朝ご飯は部屋だしではなく、1階の食事をする部屋でとりました。

夕べあんなに食べて飲んだのに、真っ白な炊きたてのご飯と
お味噌汁の香りに食欲復活。
朝食のおかずは、生卵、焼き海苔、めかぶ、冷奴、塩辛、秋刀魚の味噌煮(?)と
多分、にしんの焼いたの。それから何かのお魚の南蛮漬けとお漬物。
夕食と同じく、どれもみんな美味しくて綺麗に全部食べました。


8時少し前にチェックアウトし、電車がくるまで少し時間があったので、
魚市場まで行ってみた。
水揚げされた魚が、市場の中にどんどん運びこまれてきて、
大勢の人たちが魚を選別しているようだった。
もうちょっとゆっくりできたら、2階の見学できるところから
魚を真上から見ることができたのになぁ・・・残念(>_<)
そうこうしてるうちに、帰りの電車が来る時間が近づいてきたので急いで駅へ。
帰り道も来た時と同じように、灰色の空と灰色の海を見ながら帰ってきました。


こうして私の小さな一人旅は終わりました。
旅の1番の目的であった島には渡れず、綺麗な海を見ることも叶わず、
結局片道2時間かけて海苔とワカメを買い、
夕食と朝食を食べに来ただけのようなものだったけれど、
それでもやっぱり来て良かったと思いました。
たまにはこんな風に、一人でノンビリ、ユルユルな時間を過ごすのも
悪くないかも(^^)
というか、そういう時間が、私には必要なのかもしれない。
また時間を見つけて出かけよう。
色んな土地、海にも山にも行ってみよう。
見たことの無い景色や
美しい風景をいっぱい見てみたい。
そんな思い出をいっぱい作りたいな。


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ひとり旅 その2
電車に2時間近く揺られて目的地の駅に着くと、
旅館の人が車で迎えにきてくれていた。
車の中で私が、島に渡るつもりでいることを告げると、
「こんな天気だから海は綺麗に見えないよ」といわれ、
結局島に行くのは諦めて、2日目に予定していた、
海産物屋さんめぐりをすることにした。


1軒目のお店は、何年か前に来たことのあるお店で、
その時は1匹まるまるの鰹を買って帰った。
あとで、下ろすのに一苦労したけれど美味しかったなぁ、あの時の鰹。
今回も、生きのいい秋刀魚やイカや帆立に心が惹かれたけれど、
今回の買い物のメインは海藻類。
そこでは結局何も買わずに、もう1軒のお店へいくことにした。


もう一軒のお店は、さっき行ったとこよりも売り場もかなり広くて、
お店の数もいっぱいあった。
私は海産物関係のお店に行くと、こどもがおもちゃ屋さんに来たように
大興奮してしまうので、なかば浮き足立ちながら、まずはぐるっと一周してみた。
その後で一軒一軒をじっくり見て回る。
その熱心さは、こういうお店が好きな両親でさえ呆れるほど。
こういうとこに行くと、つくづく一人で良かったと思う。
誰にも気兼ねせずに、好きなだけ好きな海産物を見てられるって素敵だなぁ。
ま、海産物に限らず、農産物も同じくらい大興奮してしまう私ではありますが(^_^;)
途中、二階のまぐろ料理のお店でまぐろ丼を食べ、また1階の売り場に戻って
結局そこには3時間近くいてしまいました。
戦利品は大量の焼き海苔、母が欲しいと言ってた干しワカメ(これは、今では
作ってる人があんまりいないんだそう。天日で干す作業が大変らしい)
それと、大好きなメカブの干したのと、味見させてもらったら美味しかったふのり。
あとは鮭とばよりも柔らかく、市販のスモークサーモンよりはしっかりとした歯ごたえの
スモークサーモンを半身と、地酒を一本。
最後に、職場の人へのお土産のお菓子を買って、今夜泊まる旅館へ向かった。


その旅館はこじんまりとしていて、豪華とはいえないけれど、
なんだかほっとする雰囲気。
案内された部屋も、立派ではないけれどこざっぱりとした内装で、
思ってたよりずっと良かった。
何より畳部屋というのが嬉しい。
何時間も立ちっぱなしでいたから、とりあえず荷物はその辺に放り出して、
靴下を脱いで畳の上に横になって、大の字になってみた。
「あー、気持ちいい~」
手足を思いっきり伸ばすとなんでこんなに気持ちがいいんだろう。
畳に寝そべったままテレビをつけると、お笑い番組をやってたのでそれを見ながら
夕食の時間を待った。
夕食は、部屋出しでお願いしてたら、
今日寝る部屋とは別の部屋を用意してあるらしい。


(それにしても、ユルーイ旅になっちゃったなぁ)
畳に寝転んだまま、私はぼんやりした気持ちで考えていた。
旅のメインでもあった島めぐりは、どうやら2日目もできそうになく、
だとしたら、私はただ海苔とワカメを買いに泊りがけで来たってことになるんだろうか。
ふと、そんな考えもよぎったけど、考えるだけ無駄な気がして、
今夜の夕食のメニューに思いを馳せた。

ひとり旅 その1
つい先日、小さな旅をしてきた。
夏の間に、どうしても綺麗な海を見ておきたくて、
いつか見たあの海に行くつもりでいたけれど、
諸事情からそれは来年のお楽しみにすることにして、
今回は県内の漁港のある町に行くことにした。


県内とはいえ、そこは県境の町で、
電車の快速でも片道2時間はたっぷりかかる。
けれども、その港から船で20分ぐらいのところには小さな島があって、
そこの海岸からはとても綺麗な海が見える。
港の近くには、私の好きな海産物を扱っているお店もあるし、
私の頭の中には、
1日目・・・島めぐり
2日目・・・海産物のお店で買い物
という予定が出来上がった。


思えば、一人でどこかに旅行なんて何年ぶりだろう。
もう何年も前に、お芝居を見に東京へ行ったのが初めてだと思うけど、
そのときは、ついでに東京にいる友達に会ったりしてたので、
完全に私一人というわけではなかった。
だけど、今回は最初から最後まで私一人。


ちょっと寂しい気もしたけれど、楽しみな気持ちの方が大きかった。
もちろん、誰かと一緒の旅も楽しいけれど、
今回は、自分の行きたいところに行って、好きなだけそこにいたかった。
私は気に入った場所があると、何時間でもそこにいてしまう。
でも、ほかの人が一緒だったら、さすがにそれはできない。

今回も、もし海が綺麗だったら、気の済むまでそこにいたかったし、
買い物も、心ゆくまで楽しみたかったので、迷うことなく一人で行くことに決めた。
泊まるところも、部屋の豪華さは二の次で、食事が美味しいところ。


いろんな事を具体的に決めていくうちに、楽しい気持ちがどんどん大きくなっていた。
あとはお天気だけが頼り。
どうか、どうか晴れますように・・・


でもその願いはかなわず、土砂降りの中、
私は初一人旅に出ました。


ずっとずっと、長いあいだ思っていたことがあった。
その思いに囚われている間は、どこにも行けない気がしていた。
でも、手放すことができなかった。


怖かったから。
その思いは、いわば心の支えのようなものだったから。
それを失うのが、怖かった。


だけど、それ以上に怖いことがある。
私が一番恐れていること、それは多分『後悔』。


だから今度も考えた。
「もしも明日、自分がこの世にいないとしたら?」
そしたら、後悔することって何だろう?


そう考えたら、迷ってた気持ちが吹き飛んだ。
今の私が、もっとも後悔することと言ったら1つしかない。
だから、すぐに行動に移した。




今となっては、その行動が良かったのかどうかは分からない。
でも、私自身はこれで良かったんだと思う。


現実は容赦なかった。
甘い夢にも似た思いを木っ端微塵にし、
再生のしようもないほど、粉々に打ち砕いていった。


でも、心のどこかでこうなることを望んでいたのかもしれない。
そうしなければ、今も私は止まったままの記憶にすがっていたかもしれないから。


ねえ、解ったでしょう?
これでようやく理解できたでしょう?
その事実を受け入れられるでしょう?


私には、前に進む以外、どこにも道はないのだということを。


怖いけど、大丈夫。
不安だけど、大丈夫。
だって今、すごく清々しい気分。

気持ちいいのは、自分で決めたからだ。
自分で決めて、行動して、後悔してないからだ。


幸せな人生になるかは分からないけれど、
後悔だらけの人生にはしたくない。


きっとそれが、私の生きる道なんだ。


経験値
敵はかなりの強敵。
一筋縄ではいかない、かなりのツワモノ。


ちっちゃな私の武器はたった一つ。
勇気だけ。


勇気を振り絞って、ありったけの力を込めて、
振り落とした剣が貫いたのは、私自身。


HP、かなり削られちゃったし(自分で削った?)
失ったものも確かに大きかったけれど、
でも、ほんのちょっとだけ、経験値は上がったと思うんだ。
それは、私だけの経験値。
傷つくたびに得られる貴重な実。


長い旅路の途中には、こうして何度も戦わなくちゃならない時があるんだろう。
経験値の実を食べて、傷が癒えたらまた立ち上がろう。


旅はまだ、始まったばかり。




GO-DIE-GO!!
あの歌のように、顔を上げて生きていこう。


でも、古い夢は置いてかないんだ。
古いけど、それはまた新しい夢に生まれかわったから。


そして一緒に連れて行こう。
弱い自分も
駄目な自分も
情けない自分も
全部抱えて連れていこう。


短所は、裏を返せば長所なんだってことに気がついたから、
私は、弱いけど弱くない。
駄目だけど、駄目じゃない。
情けないけど、それだけじゃない。


だから大丈夫。
だから私はまた、何度でも旅に出れるんだ。